〜心身をラクにする“休日の最適バランス”とは?〜

この記事の対象者
 従業員     
4.6
 人事労務担当者 
4.6
 産業医・保健師等
4
産業医

この記事は以下の方におすすめです。

・休日を有意義に過ごしたいと考えている人


・休日最終日に「時間を無駄にしている」という感覚に悩んでいる人


・休日の過ごし方を見直し、より充実した生活を送りたいと考えている人

「休日にやりたいことは山ほどあるけれど、結局ダラダラ過ごしてしまい、リフレッシュできた気がしない」なんて経験はありませんか? もしくは「休日こそまとめて作業をしなきゃ!」と詰め込みすぎて、逆に疲労感を溜めてしまう人も多いのではないでしょうか。

しかし、その“常識”は本当に合っているのでしょうか? 休日の過ごし方は「とにかく休む」「やりたいことを全部やる」の二択だけではありません。実は、このまま自己流の休日を続けると、メンタル面での不調やストレスが蓄積し、絶望的な状況に陥ってしまう可能性があります。

「いやいや、みんなそんな状況になるの?」と思われるかもしれませんが、決してあなただけではありません。かくいう私も、休日の過ごし方に悩んでいたひとりです。同じように迷走し、疲弊してしまった時期がありました。

ですが、休日についての考え方を整理し、新たな視点を取り入れることで驚くほど心身がラクになり、毎日の仕事や生活の質も高まるようになりました。そこで今回は、メンタルヘルスを改善するための「より良い休日の過ごし方」について、具体的な対策や注意点を踏まえながらご紹介します。

1. 休日の過ごし方の大切な視点

休日の過ごし方の大切な視点、それは・・・


休日を「休息」と「自分らしい活動」のバランスで過ごすことです。


忙しく疲れきった体と心をしっかり休ませるのは大切ですが、同時に「楽しい」「やってみたい」と思えるアクティビティを適度に取り入れることで、モチベーションと活力を高められます。

2. 理由

  1. 疲労回復だけでは不十分
    ただ横になってスマホをいじりながらゴロゴロしているだけでは、表面的な疲れは取れるかもしれませんが、心の満足感や達成感は得にくいものです。気づけば「また仕事か…」と憂うつになり、ストレスが抜けきらないまま平日を迎えてしまいます。
  2. やりたいこと詰め込みすぎも危険
    一方で、休日を「貴重な自由時間だ!」と感じてアレもコレもと詰め込みすぎると、逆に疲れを倍増させ、月曜日にはさらにぐったり…。達成感は得やすい反面、意外と精神的ストレスを溜めやすいのがこのパターンです。
  3. 自分の「やる気スイッチ」を見失う
    休むことに罪悪感を持ってしまうと、「休んでいいのに休めない」「もっと何かしなきゃ!」という焦燥感ばかりが募ります。こうした思考はメンタルのバランスを崩しやすく、気づかないうちにうつ状態に近づいてしまう可能性もあります。

3. 具体例

たとえば、私自身は以前「休日にこそ自己投資を!」と意気込み、資格勉強や副業タスクを詰め込みすぎていました。結果、勉強や作業は少し進んだものの、平日以上に疲労感を抱えてしまい、肝心の月曜からの仕事が手につかない…なんて状況に陥ったのです。

また、逆のパターンとして「何もしない休日」にしたこともあります。朝から晩までベッドにこもり、スマホや動画サイトを見続けるだけ。確かに身体は休まったかもしれませんが、頭はぼーっとしたままで満たされた感覚は得られませんでした。

結局、どちらに振り切っても「充実感」と「回復感」の両方を得るのは難しく、「モヤモヤとした罪悪感」や「休みが終わる悲しみ」だけが残ってしまったのです。

4. 休日前のセルフチェック

「休日ぐらい完全に休みたい」「逆に休日にやりたいことを思い切り詰め込むからこそ仕事の励みになるのでは?」という反論もあるかもしれません。実際、それでうまく回せる人もいます。

しかし注意したいのは、人は必ずしも同じペースで動けるわけではないという点です。毎週、または毎月の体調や心の状態は変化します。休日を迎えるタイミングで自分の疲れ具合やモチベーションをチェックして、「今回はどれだけ休息が必要か?」「どの程度、楽しみを入れたいか?」を都度判断する柔軟性が大切です。

5. 具体的対策

 1.「静」の時間と「動」の時間をセットで計画する

  • 「静」: しっかり睡眠をとる、読書や音楽を聴く、軽いストレッチなど身体と心を休める活動
  • 「動」: 友人とランチ、ちょっとした運動、散歩やお出かけなどエネルギーを外へ使う活動
    この二つを組み合わせることで、疲労回復と気分転換の両方を実現できます。

 2.一日のはじめに「今日の気分」を確認する

  • 朝起きたときに「今日は頭が重い」「気分が乗らない」と感じたら、積極的な外出は控えて「静」の時間を多めに。
  • 「体力も気力もある!」と感じたら、「動」の時間を増やして充実した日を過ごす、といった調整を行いましょう。

 3.優先度をつけ、完璧を求めない

  • やりたいことが複数ある場合は、3つまでに絞ると決める。すべてを完璧にこなそうとすると疲弊しがちです。
  • あえて「できなくてもOK」という余白を設定することで、メンタルの安定につながります。

 4.週末だけでなく“平日の過ごし方”も見直す

  • 平日にあまりにも無理を重ねると、休日は“回復だけ”に費やす必要が出てきてしまいます。
  • 平日のちょっとした空き時間に気分転換を挟むだけでも、休日の過ごし方の充実度が変わってきます。

6. 結論

繰り返しになりますが、より良い休日を過ごすポイントは「休む」と「楽しむ」をバランスよく取り入れることにあります。疲れきった体と心を癒やしつつ、新たな刺激や喜びを得ることで、月曜日からの仕事や生活にもプラスの影響が期待できます。

7. まとめ

もちろん、上記の方法にもリスクやデメリットはあります。たとえば、予定を立てすぎて結局疲れてしまうことや、完璧にできず自己嫌悪に陥るケースもあるかもしれません。しかし、こうしたデメリットも「自分の調子に合わせて調整する」「完璧を求めず80%の達成でOKとする」といった価値観や判断軸を持つことで、十分コントロールできるはずです。

休日はあなたの大切な時間です。ぜひ今回紹介した視点や具体的な対策を活かして、メンタルヘルスに配慮した“自分らしい休日の過ごし方”を見つけてみてください。そうすれば、「休み明けが楽しみになる」ような充実感を味わえるかもしれません。ぜひ一度、お試しください。