労働者数50人未満の事業場でも、ストレスチェックは2028年4月1日から義務化されます。2025年5月に改正労働安全衛生法が公布され、施行日も決まっています。法案の成立を待っている段階ではありません。

一方、2026年9月1日現在、50人未満の事業場に対する新しい義務はまだ施行前です。今すぐ実施済みに見せることより、対象事業場、実施体制、個人結果の取扱い、高ストレス者の面接指導までの流れを、施行前に決めておくことが重要です。

いつから義務になるのか

厚生労働省は、労働者数50人未満の事業場へのストレスチェック義務化について、施行日を2028年4月1日と案内しています。

これまで50人未満の事業場では実施が当分の間努力義務とされていました。2025年5月に公布された改正法により対象が広がり、2028年4月1日から実施義務が始まります。

確認の単位は「会社全体」だけではなく「事業場」です。複数の店舗、営業所、工場などがある場合は、まず各事業場の労働者数と現在の実施状況を整理してください。今回の改正でストレスチェックの対象は広がりますが、それだけを理由に産業医の選任義務まで50人未満の事業場へ拡大するものではありません。産業医選任の現行要件は、常時50人以上の労働者を使用する事業場です。両制度を分けて確認してください。

50人未満の事業場が施行前に決めること

厚生労働省は2026年2月、小規模事業場向けの実施マニュアルを公表しました。準備では、単に質問票やツールを選ぶだけでなく、次の流れを一つの運用として決めます。

  1. 対象事業場と対象者:事業場ごとの労働者数、雇用形態、対象者の確認方法を整理する
  2. 実施体制:実施者、実施事務従事者、外部委託先、人事労務の役割を分ける
  3. 年間日程:実施時期、周知、受検案内、未受検者への案内、結果通知の期限を置く
  4. 個人結果の取扱い:本人への通知、同意の取扱い、閲覧できる人、保存方法を決める
  5. 面接指導の動線:高ストレスと判定された人が医師の面接指導を申し出る方法と、会社側の受付担当を決める
  6. 面接指導後の会社対応:医師の意見を受け、会社が就業上の措置を検討・決定・実施し、記録する

小規模な職場ほど、誰の結果か推測されやすくなります。本人へ結果を通知した後に同意を確認する手順を含め、本人の同意を得ずに個人の検査結果が事業者へ提供されない仕組みと、プライバシーを守る役割分担を先に決める必要があります。

集団分析は最新の案内を別に確認する

2026年6月30日、集団分析の実施方法に関する労働安全衛生規則の改正省令が公布されました。改正後の規則は、特定の個人を識別できない方法で集団分析を行うことを明記し、2027年4月1日に施行されます。厚生労働省の通達では、従来の解釈を明文化するもので、従来の運用を変えるものではないと説明されています。

ストレスチェック本体の実施、個人結果の取扱い、高ストレス者の面接指導、集団分析を一つに混ぜず、それぞれ最新の通達とマニュアルで確認してください。

特に少人数の集団では、分析結果から個人が推測されないようにする必要があります。集団の分け方や結果共有の範囲を、実施前に外部委託先や実施者と確認します。

よくある準備不足

  • ツールの契約だけで、実施者や実施事務の役割が決まっていない
  • 個人結果を誰が閲覧できるか、社内ルールがない
  • 高ストレス者が面接指導を申し出る窓口と期限が不明確
  • 医師の意見を受けた後、会社が何を決め、どこに記録するか決まっていない
  • 複数事業場を一括で数え、事業場ごとの状況を確認していない

ストレスチェックは、受検案内を配って終わる業務ではありません。結果通知、面接指導の申出、医師意見、会社の措置、記録までつながるように設計します。

KIDUKIへ相談できる範囲

KIDUKIでは、継続的な産業保健体制の中で、ストレスチェックの実施体制、高ストレス者への面接指導、面接後の医師意見と会社対応の流れを整理します。契約範囲は、事業場数、労働者数、現在の産業医体制、外部委託先、社内担当者を確認して定めます。

産業医は医学的な評価と意見を提供します。就業上の最終決定と実施は会社が担い、診断と治療は医療機関が行います。受診を勧める場合も、受診先はご本人が選び、KIDUKIが特定の医療機関を指定・紹介することはありません。

出典

本記事は企業向けの一般的な情報提供であり、個別の法的助言、診断、治療または産業医の意見ではありません。実際の対応は、最新の法令・通達、事業場の状況、契約範囲を確認して決定してください。